知恵蔵 「論文盗用検知システム」の解説
論文盗用検知システム
ヤフーやグーグルなどの検索サイトで、疑わしい文章を入力して、剽窃の有無をチェックするよりも、論文盗用検知システムを利用する方が、高速でかつ的確にチェックができる。近年の論文不正疑惑問題などで、論文盗用、剽窃の現状が明らかになると共に、それらを検知するシステムやソフトが注目されるようになった。
論文盗用検知システムには、無料、有料の様々なサービスがあり、それぞれ機能や精度が異なるが、有名なものに、世界135カ国の教育機関で、学生のレポートなどを対象に利用されている米国「iParadigms社」の「Turnitin(ターンイットイン)」や、同社の「iThenticate(アイセンティケイト)」がある。どちらもオンラインツールとして販売されており、ウェブ上で利用できるが、特にiThenticateは、世界最大の学術論文データベースを活用したサービスで、研究者や出版機関向けの製品として注目されている。2012年には、国内の大学に先駆け、早稲田大学が、13年11月には名古屋大学が、そして、14年3月には東京大学医学系研究科など、国内の研究機関が導入を始めた。iThenticateでは、約3880万本の学術論文、書籍、会議録や、約450億のウェブページを集積したデータベースから剽窃をチェックする。
(横田一輝 ICTディレクター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報