日本歴史地名大系 の解説
豊後国図田帳(豊後国弘安図田帳)・御注進状案(豊後国弘安田代注進状)
ぶんごのくにずでんちよう・ごちゆうしんじようあん
一巻
成立 弘安八年
写本 内閣文庫本・宮内庁書陵部本・東京大学史料編纂所本ほか多数
解説 幕府の命で作成された豊後八郡庄郷五八ヵ所・八千六七三町の庄園公領別田数、および領主・地頭などを記した大田文で、豊後国図田帳系と御注進状案系に大別される。従来はこの二系統は内容に異同が少なくないのにもかかわらず、一つの史料の異本とされてきた。しかし近年両者の異同は大田文原簿書写の目的が違っていたために生じたものとされ、別のものとして扱われるようになった。注進状系列は二種に分類されるが、うち豊後国毛井社地頭信濃国御家人平林家に伝来した古書中にあった小野朝臣幸直(国衙の役人)が注進したものが良本とされ、図田帳系を含めて基本とされている。
活字本 続群書類従(雑部)・大分県郷土史料集成地誌篇・鎌倉遺文二〇・大分県史料三六
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報