負の温度(読み)フノオンド(その他表記)negative temperature

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「負の温度」の意味・わかりやすい解説

負の温度
ふのおんど
negative temperature

原子分子の集りで,エネルギーの高い状態が低い状態より存在確率が大きいとき,この系は負の温度にあるという。ボルツマン統計ではエネルギー E の状態にある確率は exp [-E/kT] ( kボルツマン定数T は絶対温度) に比例するから,E の高いほうが確率が大きいということは,T が負であると解釈される。この状態は普通の条件では存在しないが,ポンピングと呼ばれる操作によって,低いエネルギー状態から高いエネルギー状態に分子を励起することによって過渡的に実現される。メーザーレーザーはこの例である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む