貯蓄関数(読み)ちょちくかんすう(その他表記)saving function

日本大百科全書(ニッポニカ) 「貯蓄関数」の意味・わかりやすい解説

貯蓄関数
ちょちくかんすう
saving function

貯蓄がどのような経済変数に依存して決定されるかを表した関数。貯蓄は、所得うち消費されなかった残余の部分であるから、所得に依存している。また、経済主体である個人は、現在の消費と将来の消費とを比較して貯蓄を行うのであるから、利子率にも依存して決定される。簡単な貯蓄関数は、所得と利子率を説明変数として表される。いま貯蓄をS、所得をY、利子率をiとすると、
  S=S(i,Y)
と表される。一般には利子率と所得が増加すれば貯蓄も増加する関係にあると考えられている。このほかに、保有資産、前期の所得、年齢、家族数などが説明変数として重要であり、ライフ・サイクルにも注目する必要がある。

[鈴木博夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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