自由な経済計算と意思決定に基づいて、自己の経済目的を最大限に達成するように経済行為を遂行する主体をいう。おのおのの経済目的に従って、企業、個人(ないしは家計)、政府などに分けられる。これらは国民経済を考えるときの最小単位である。企業は生産・流通活動を行う主体であり、一定の費用から獲得しうる利潤を最大限にすることを目的に行動する。個人は消費生活の主体であり、労働力を提供して所得を稼ぎ、その所得で購入する財やサービスから得られる効用が最大になるように消費の選択を行う。政府は一国の経済活動全体を調整する経済政策の主体であり、民間経済主体のために市場の環境を整えたり、市場にのらない分野などで民間の経済活動を補完することを目的に行動する。そのために企業や個人から租税を徴収し、これを必要に応じて配分して支出する。なお、国民経済全体を考える場合には、これら三つの主体に加えて、当該国と輸出入の関係をもつ外国が経済主体に含まれる。
[佐々木秀太]
…みずからの意思に基づいて経済活動を行う単位を経済主体economic unitと呼び,その役割や機能に応じて,家計(あるいは消費者),企業(あるいは生産者),政府の3種類に区別する。家計は,所有する労働・土地等の生産要素を市場に供給し,そこで得られた所得で種々の消費財を需要する経済主体である。…
※「経済主体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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