貸出文庫(読み)かしだしぶんこ(その他表記)collection for loan to groups

図書館情報学用語辞典 第5版 「貸出文庫」の解説

貸出文庫

図書館未設置自治体や図書館が遠く日常的に利用できない地域に対して行われる図書館サービスの一種.通常,図書館が,地域の公共施設や各種団体にまとまった冊数の図書を一定期間預け,そこから近隣住民が本を借りることができるようにするものである.「図書館法」第3条第5項にも,「貸出文庫の巡回を行うこと」は,図書館の業務としてうたわれている.貸出文庫の趣旨は,住民が図書館まで来られない代替措置として本を近隣まで運び利用してもらうということであるが,実際には本の数が少なく選択の幅がないことやプライバシーが守られないことなどから,概して利用は多くない.地域に対するサービスというより団体貸出の一形態として行われることが多い.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の貸出文庫の言及

【移動図書館】より

…自動車文庫,自動車図書館,ブックモビルbookmobileとも呼ばれる。また移動図書館を広く解釈して,遠隔地の学校,施設,団体に一定数の図書をセットにして送付する巡回文庫,貸出文庫を指すところもある。ふつうマイクロバスやトラックなどを改造し,車の内部または両側面に書架を装備,約1000~3000冊の図書を積載する。…

※「貸出文庫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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