改訂新版 世界大百科事典 「貿易サービス収支」の意味・わかりやすい解説
貿易・サービス収支 (ぼうえきサービスしゅうし)
balance of trade, balance of service
国と国との間の経済取引を示す勘定の種類。国際間の経済取引を表す国際収支は大きく経常収支と資本収支に分けられる。そして経常勘定はさらに貿易・サービス収支(貿易収支+サービス収支),所得収支,経常移転収支に区分される。
貿易収支は衣類とか自動車とかICなど有形の財貨の輸出入の収支を表し,サービス収支は運賃,旅行,保険料,情報,特許等使用料などサービスの受取り,支払の収支を,所得収支は雇用者報酬,投資収益の収支を表している。経常移転収支とは送金,一般的贈与など対価を伴わない取引の収支のことである。なお,1996年1月からこの方式に改訂されるまでは貿易収支・貿易外収支という区分が用いられ,貿易外収支にはサービス収支と所得収支に当たる内容が含まれていた。
→経常収支 →国際収支
執筆者:黒田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報