朝日日本歴史人物事典 「賀藤清右衛門」の解説
賀藤清右衛門
生年:明和5.2.19(1768.4.6)
江戸後期,秋田藩の林政家。出羽国久保田城下(秋田市)に藩士賀藤八郎兵衛景親の嫡男として生まれる。諱は景林。文化2(1805)年38歳の時,御財用吟味役・木山方勤務兼帯となり,以来約30年間秋田藩林野行政に尽力した。木山方の権限を強化し,山守制度の改革,山林保護と植林の奨励など林制の充実に努めた。なかでも能代海岸に植樹した76万本余の松は砂防林となって飛砂防止に役立った。嗣子景琴が木山方吟味役となって彼の事業を継承し,秋田林業の基礎がつくられた。『木山方以来覚』など著書多数。<参考文献>鈴木一郎『賀藤景林父子伝』
(渡辺英夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報