賃金・物価スパイラル(読み)ちんぎん・ぶっかスパイラル(英語表記)wage-price spiral

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賃金・物価スパイラル」の意味・わかりやすい解説

賃金・物価スパイラル
ちんぎん・ぶっかスパイラル
wage-price spiral

賃金上昇と物価上昇のらせん (スパイラル) 的な進行供給独占が支配する市場では,企業は生産の拡張を制限し,価格騰貴による利潤を享受することが有利となる。一方物価騰貴は,実質賃金を低下させることから,労働組合による賃金引き上げの要求が激しくなる。ところが,賃金の引き上げは有効需要と生産費の双方を引き上げるであろうから,諸物価は再び騰貴し,再び賃金引き上げの要求が激しくなる。このように,賃金,物価の悪循環が始まり,物価は持続的・累積的に騰貴することとなる。これを賃金・物価のスパイラル効果という。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android