賈思勰(読み)かしきょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「賈思勰」の意味・わかりやすい解説

賈思勰
かしきょう

生没年不詳。現存している中国農書としては最古の『斉民要術(せいみんようじゅつ)』の著者北魏(ほくぎ)の高陽郡(現在の山東省益都県一帯)大守であったことがわかるだけで、詳細な経歴は不明。530~540年代ごろに成った『斉民要術』は、彼が任地である山東省で見聞した事実とともに、自身の営農の経験を踏まえ、自家の家内奴隷に生産や生計を教育する意図で書かれており、当時の農業技術や農業経営を理解するうえで、貴重な資料となっている。

[關尾史郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「賈思勰」の解説

賈 思勰
かしきょう

生没年不詳
6世紀ごろ,北魏で活躍した人
現存する最古の中国の農業書『斉民 (せいみん) 要術』を著した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の賈思勰の言及

【斉民要術】より

…中国古代の基本的農書。撰者賈思勰(かしきよう)は北魏末・東魏の人。530‐550年の間の成立と推測される。…

【農学】より

…この区田法は今日にいたるまで陝西や山東の一部の地域で行われている。南北朝時代の農学では,北魏の地方長官賈思勰(かしきよう)が,当時,華北で完成していた乾地農法を体系的に記録したことが特筆に値する。彼の農学はその著書《斉民要術》(6世紀初め)に集大成されており,その記述態度は老農の経験や農諺(のうげん)を採録し,みずからも実験してみるといった実際主義に基づいていた。…

※「賈思勰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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