賛寧(読み)さんねい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「賛寧」の意味・わかりやすい解説

賛寧
さんねい
(919―1001)

中国、宋(そう)代の僧。浙江(せっこう)省湖州徳清県の人。後唐(こうとう)の天成年間(926~929)杭州(こうしゅう)祥符(しょうふ)寺にて出家し、その後、天台山に学んだ。律にもっとも詳しかったが、その学問仏教の全般にわたり、さらには儒教老荘思想にも通じていた。著述は多いが、仏教史家として優れ、『宋高僧伝(そうこうそうでん)』30巻、『大宋僧史略(たいそうそうしりゃく)』3巻などが有名。北宋の太宗に重んじられ、僧録に任ぜられた。没年には異説(996、999)がある。

[末木文美士 2017年2月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賛寧」の意味・わかりやすい解説

賛寧
さんねい
Zan-ning

[生]貞明5(919)
[没]咸平5(1002)
中国,宋の僧,仏教史家。姓は高氏。号は通慧大師。『宋高僧伝』 (30巻) を編修

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世界大百科事典(旧版)内の賛寧の言及

【高僧伝】より

…普通に〈高僧伝〉というときは本書を指すことが多い。 これをうけつぐのが唐の道宣撰《続高僧伝》30巻,宋の賛寧撰《宋高僧伝》30巻,明の如惺撰《大明高僧伝》8巻で,これら4書を総称して〈四朝高僧伝〉という。《続高僧伝》は,《唐高僧伝》とよばれることもあり,南朝の梁から唐初の貞観年間(627‐649)にかけての高僧たちの伝記集である。…

【仏教】より

…前後144年,694人(本伝485,付伝209)の列伝を収める。第3は,宋の賛寧が,988年(端拱1)に上進する《宋高僧伝》30巻で,先の道宣のあとをうけ,編者の時代にいたる約300年,657人(本伝531,付伝126)の列伝である。 いずれも,勅撰の正史に準ずる一貫した編集であり,3書ともに同じ十科の分類方法(表参照)をとる。…

※「賛寧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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