しち‐いれ【質入】
- 〘 名詞 〙
- ① 質として、物品を渡すこと。質屋から借金するとき、担保として財物を預けること。質置き。
- [初出の実例]「尤是迄質入之品受戻候節も右之割合に引直し利足可二受取一」(出典:日本財政経済史料‐三・経済・商業・八品商・天保一三年(1842)一二月二〇日)
- 「僕の羽織を質入にしやうとして失敗した某氏も何処へか失せ」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉一〇)
- ② 遊女屋などに娘を預けて、借金すること。
- [初出の実例]「又娘のおさよは大磯の廓へ質入。一と月経って受戻そふ、二月経ってと朝夕に、身貧な中でもそれ斗り」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)三立)
- ③ 質権設定の目的で、物件または権利を質権者(債権者)に提供すること。
- [初出の実例]「恩給は売買譲与質入書入することを得ず」(出典:官吏恩給法(明治二三年)(1890)一八条)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の質入の言及
【地所質入書入規則】より
…この法令は,1872年田畑売買解禁の布告および地券交付によりすべての土地に私的土地所有権が付与されたのにともなって制定された。おもな内容として,(1)土地金融を質入(占有担保形態)と書入(非占有担保形態)に区分し,前者の場合には地券を金主に渡すことを義務づけ,(2)年季は3年以内に限定し,(3)書入では,土地に担保余力があれば,さらに2番,3番の書入を認め,(4)規則公布時に存在する質入・書入は,すべて規則に準じて73年7月までに改約する(のちに,前約の期間を据え置くことに改正)こととしていた。この規則の書入についての規定は,73年8月23日の太政官布告〈動産不動産書入金穀貸借規則〉で補強され,これにともない質入書入規則も,74年5月に一部改正された。…
※「質入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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