赤色武勲章(読み)せきしょくぶくんしょう(その他表記)The Red Badge of Courage

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤色武勲章」の意味・わかりやすい解説

赤色武勲章
せきしょくぶくんしょう
The Red Badge of Courage

アメリカの作家S・クレーンの長編小説。副題「南北戦争の一挿話」。1895年刊。『赤い武功章』の訳もある。南北戦争に従軍した一兵士の心理をリアルに、印象主義風な手法で描く。英雄的な手柄をたてようと北軍に志願したヘンリー・フレミングは銃撃戦が始まると逃亡し、自己の本能を正当化するが、偶然殴られてけがをする。部隊に戻ったとき皮肉にもそれが名誉の負傷と勘違いされる。ロマンチックな戦争文学に反対したクレーンは、新兵の目を通して戦争の不条理を示すことにより、20世紀の戦争文学の先駆者となった。

[板橋好枝]

『西田実訳『赤い武功章 他三編』(岩波文庫)』

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