先端に超音波装置のついた消化管内視鏡を口から挿入し、胃や十二指腸の中から膵臓(すいぞう)・胆管・胆嚢(たんのう)など周囲の臓器に超音波を当て、反射した信号をもとに胆道系や膵臓周囲の病変を詳しく観察する検査。EUSと略称される。体外からの超音波検査に比べて、病変の状態や周囲への広がりの有無、リンパ節転移の有無、他の臓器との関係を詳細に観察できる。
おもに膵臓や胆道の病変の精密検査に用いられ、たとえば膵臓がんが疑われる場合、腫瘍(しゅよう)組織を調べるために、超音波内視鏡で観察しながら腫瘍に針を刺して細胞を採取するEUSガイド下穿刺(せんし)吸引細胞診(EUS-FNA)が行われ、膵臓がんの診断に用いられる。
[渡邊清高 2020年3月18日]