足尾町(読み)あしおまち

日本歴史地名大系 「足尾町」の解説

足尾町
あしおまち

面積:一八五・四六平方キロ

県最西端、郡北西部を占める。足尾山地の最北部西側にあり、渡良瀬川上流とその支流が谷を刻む。周囲は山に囲まれ、北はシゲト山・黒檜くろび岳・しや山・半月はんげつ山などの東西に延びる標高一七〇〇―一九〇〇メートルの山脈を境に日光市、東は薬師やくし(一四二〇・一メートル)地蔵じぞう(一四八三メートル)古峰原こぶがはら高原・粕尾かすお峠などの山を境に鹿沼市・粟野あわの町、南は大萱おおかや(一一五四・二メートル)二子ふたご(一五五六・四メートル)袈裟丸けさまる(一八七八・二メートル)などの山を県境として、渡良瀬川が流れ込む群馬県勢多せたあずま村、西はのこぎり(一九九八メートル)皇海すかい(二一四三・六メートル)などを境に同県利根とね郡利根村。庚申こうしん山から皇海山一帯は日光国立公園に含まれ、古峰原一帯は前日光県立自然公園となっている。群馬県境の二子山は「下野国誌」に足尾郷の山続きとして山名があげられ、歌枕とされる。渡良瀬川上流の松木まつぎ川は渓谷を形成し、松木渓谷とよばれる。同川と久蔵くぞう(川)仁田元にたもと(川)の合流地点には昭和二九年(一九五四)に建設された砂防を目的とする足尾ダム(三川ダム、長さ二〇四メートル、高さ三九メートル)がある。渡良瀬川に沿って群馬県桐生市と結ぶJR足尾線が通り、終点間藤まとう駅から南に足尾・通洞つうどう原向はらむこう各駅が置かれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報