最新 地学事典 「足摺岬深成複合岩体」の解説
あしずりみさきしんせいふくごうがんたい
足摺岬深成複合岩体
Plutonic complex of Cape Ashizuri
高知県足摺岬に分布する中期中新世の小規模な(12km2)深成複合岩体。古第三紀清水層を貫く。岩体中央部はマグマ混合を示すアルカリ斑れい岩類・花崗閃緑岩・ラパキビ花崗岩,岩体南部はアルカリ長石閃長岩─アルカリ長石石英閃長岩・アルカリ花崗岩のアルカリ岩,岩体北部はカルク・アルカリ粗粒花崗岩からなる。アルカリドレライトやフルオセル石を含むアルカリ流紋岩岩脈によって貫かれる。岩体南部の構成岩石はアルカリ元素,Ga, Rb, HFSE(Hf・Nb・Taなど)や希土類元素,Fにきわめて富み,チェフキン石,Tiに富む褐れん石(Ce)を産する。また,アルカリ流紋岩岩脈は一種の希土類元素鉱床と考えられる。U-Pbジルコン年代は閃長岩で13.12±0.09Ma,粗粒花崗岩で12.95±0.06Ma,西南日本外帯の主要な火山─深成活動後に形成。微量元素や同位体初生値からアルカリ岩はアセノスフェア深部のOIBソースに由来し,カルク・アルカリ花崗岩はそれが熱源となり地殻物質を溶融したものと考えられた。参考文献:S.Ishihara et al. (2013) Bull.Geol.Surv., Japan,Vol.64: 1
執筆者:今岡 照喜
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

