翻訳|syenite
石英をほとんど含まない(5%以下)か、まったく含まず、アルカリ長石をおもな構成鉱物とする粗粒で完晶質の火成岩。火山岩では粗面岩に相当する。アルカリ長石がさまざまな色を呈するので、閃長岩もアルカリ長石の色に応じて灰、緑、ピンク、赤などいろいろな色のものがある。アルカリ長石の量は長石全体の3分の2以上。アルカリ長石の割合が少なくなるとモンゾニ岩monzonite(黒雲母(うんも)、角閃石、輝石などからなる完晶質粗粒の深成岩)になる。少量の苦鉄質鉱物を伴う。閃長岩には(1)アルカリが比較的少ないものと、(2)アルカリに富むものとがあり、(1)と(2)では造岩鉱物も産出する地質環境も異なる。(1)はアルカリ長石(正長石、正長石パーサイト、微斜長石)、斜長石(灰曹(かいそう)長石(オリゴクレース))、石英、黒雲母、ホルンブレンド、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、燐灰(りんかい)石、チタン石、ときには白雲母、普通輝石(オージャイト)、コランダム、(2)はアルカリ長石(正長石、アノーソクレス、微斜長石、曹長石)、黒雲母、アルカリ角閃石(アルベゾン閃石、リーベック閃石、ヘスティング閃石など)、チタンに富む普通輝石、エジリン輝石質普通輝石、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、燐灰石、ときには霞(かすみ)石、方沸石などの沸石、ざくろ石からなり、石英をほとんど含まない。石英あるいは霞石を5~20%含む場合はそれぞれ石英閃長岩、霞石閃長岩とよばれる。(1)は造山帯に、モンゾニ岩や花崗(かこう)岩に伴って、(2)はアルカリ岩石区に、アルカリ花崗岩や準長石を含む岩石に伴って産出する。建築用石材に用いられる。英名の由来は、古代ローマの大プリニウスがシエネSyene(現在のアスワン)産の花崗岩に対して用いたことによる。
[千葉とき子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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