最新 地学事典 「ラパキビ花崗岩」の解説
ラパキビかこうがん
ラパキビ花崗岩
Rapakivi granite
バルト楯状地の中部スウェーデン・南部フィンランド・ラトビア・ウクライナに分布する非造山期花崗岩。放射年代は1,700~1,300Ma・フィン語でrapa=くずれやすい,kivi=岩を意味する。角閃石・黒雲母を含む粗粒斑状の花崗岩。フィンランドでは,径数cm~10cmの卵形のアルカリ⾧石を含むもの(pyterlite)もあるが,オリゴクレースのマントルをもつアルカリ⾧石斑晶をもつもの(wiborgite)が多く,一般に後者をラパキビ花崗岩と呼ぶ。同様な特徴をもつ花崗岩は,ブラジル(500Ma),北米(メーン州のものは325Ma)に分布し,日本では足摺岬に分布。代表的なAタイプ花崗岩で,高いSiO2・K2O・F・Rb・Zr・Th・U含有量と高いK/Na・Fe/Mg比が特徴で,トパーズを含む晩期の花崗岩にはグライゼン化を伴いSn・Be・W・Pb・Znの鉱化作用がある。石材としても利用(商品名バルチックブラウンなど)。斜⾧石マントルをもつアルカリ⾧石斑晶を,水に乏しいマグマの結晶作用で説明する説があるが,角閃石・黒雲母の含水量は少なくフッ素に富む。フィンランドのViipuri岩体の周囲には輝石ホルンフェルス相の接触変成岩があり,ラパキビマグマの温度は800℃前後と考えられる。1694年にU・Hjarneがフィンランド南部で命名。参考文献:山田哲雄(1991) 地質ニュース,443号
執筆者:山田 哲雄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

