足津緒(読み)アシツオ

デジタル大辞泉 「足津緒」の意味・読み・例文・類語

あし‐つ‐お〔‐を〕【足津緒】

琴の弦の端を組み糸で結びかがったもの。
「夏来ればあづまの琴の―にりかけてける藤浪の花」〈新撰六帖・五〉
いろいろな色に染めた麻でよりあわせた縄。牛馬を引いたり、装束を掛けたりする。
「やり縄などいふものも、―なんどにや縒り合はせたる」〈今鏡・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「足津緒」の意味・読み・例文・類語

あし‐つ‐お‥を【足津緒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 和琴の各弦の端を組み糸で結びかがったもの。古くは、春夏は藤、秋冬は櫨(はじ)と季節によって色を変えたが、後には白、黄、浅黄(あさぎ)、薄萌黄(うすもえぎ)の四色の糸をより合わせて用いるようになった。
    1. [初出の実例]「夏くれば東の琴のあしつをによりかけてける藤浪の花〈藤原家良〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)五)
  3. いろいろな色に染めた麻でより合わせた縄で、牛や馬などを引いたり、装束をかけたりするのに用いたもの。やり縄。さし縄。
    1. [初出の実例]「引蘆津緒綱、掛亘舞人、陪従人長、琴持、装束」(出典:台記別記‐仁平元年(1151)八月九日)
    2. 「やり縄などいふものも、あしづをなんどにやより合せたる、いろいろ交はれるに」(出典:今鏡(1170)二)

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