精選版 日本国語大辞典 「跨ぶ」の意味・読み・例文・類語
あふどこ・ぶ【跨】
- 〘 自動詞 バ四段活用 〙 股にかけて越える。またがる。また、足をそろえておどりあがる。あふどこむ。あふづくむ。あつどこぶ。あどこぶ。
跨ぶの語誌
( 1 )訓点資料に特有の語。古くは「あふどこむ」「あふづくむ」であったかと考えられる。「あ」は足の意と思われるが、「ふどこむ」「ふづくむ」については未詳。「どこ」と「づく」とはuとoとの交替であろう。
( 2 )その後、語尾「む」が「ぶ」に転じて「あふどこぶ」の語形を生じ、さらに、「ふ」の撥音化「ム」表記である「あむどこぶ」となり、促音化して「あつどこぶ」「あどこぶ」と表記されたものと考えられる。
あむどこ・ぶ【跨】
- 〘 自動詞 バ上二段活用 〙 「あふどこぶ(跨)」の変化した語。
- [初出の実例]「少林の伽藍閑(かん)居寺等有り。皆巖壑(かむかく)に跨(アムトコヒ)枕(よ)りて、林泉を縈(けい)帯せり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)九)
あどこ・ぶ【跨】
あつどこ・ぶ【跨】
- 〘 自動詞 バ上二段活用 〙 「あふどこぶ(跨)」の変化した語。
- [初出の実例]「跨 アツトコフ」(出典:伊呂波字類抄(鎌倉))