普及版 字通 「蹈」の読み・字形・画数・意味
蹈
17画
[字訓] ふむ・うごく
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(よう)。に滔・稻(稲)(とう)の声がある。は臼の中のものをとり出す形。〔説文〕二下に「踐(ふ)むなり」とあり、足しげくふむことをいう。〔礼記、楽記〕に「手のひ、足の蹈むを知らず」とは、欣喜して雀躍する意。また武王克殷の楽舞とされる大武の舞容は「發揚蹈(たうれい)」と形容され、蹈には反閉(へんばい)のような呪儀としての意味があった。踏(とう)・(とう)と声義近く、踏・もそれぞれ呪的な意味をもつ所作であった。
[訓義]
1. ふむ、あしふむ。
2. おどる、こおどりする。
3. ゆく、うごく、わたる。
4. ふみおこなう、おこなう。
5. 悼(とう)と通じ、いたむ、やむ。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕蹈 不弥奈豆佐不(ふみなづさふ) 〔名義抄〕蹈 フム・ウゴク・フミナヅサフ・フム〔字鏡集〕蹈 ウゴク・タタム・フム
[語系]
蹈duは踏thap、th、thekと声義に通ずるところがあり、心の動くことを(とう)といい、足の動作にあらわれることを蹈・(とう)という。蹈・踏は通用の例が多い。
[熟語]
蹈越▶・蹈歌▶・蹈火▶・蹈海▶・蹈危▶・蹈義▶・蹈虚▶・蹈凶▶・蹈▶・蹈空▶・蹈隙▶・蹈険▶・蹈査▶・蹈死▶・蹈習▶・蹈襲▶・蹈蹂▶・蹈牀▶・蹈渉▶・蹈踵▶・蹈刃▶・蹈水▶・蹈正▶・蹈青▶・蹈▶・蹈践▶・蹈測▶・蹈敵▶・蹈轍▶・蹈騰▶・蹈難▶・蹈波▶・蹈破▶・蹈翻▶・蹈氷▶・蹈舞▶・蹈方▶・蹈躍▶・蹈用▶・蹈揚▶・蹈利▶・蹈履▶・蹈流▶・蹈▶
[下接語]
跨蹈・高蹈・襲蹈・蹂蹈・遵蹈・清蹈・践蹈・騰蹈・拝蹈・赴蹈・舞蹈・履蹈・陵蹈
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報