身に染む(読み)みにしむ

精選版 日本国語大辞典 「身に染む」の意味・読み・例文・類語

み【身】 に 染(し)

  1. [ 一 ] ( 「染む」は自動詞四段活用、または上二段活用。口語は「染みる」で上一段活用 )
    1. 骨身にしみとおる。しみじみと身に味わう。痛切に感じる。身に入る。
      1. [初出の実例]「秋ふくはいかなる色のかぜなればみにしむばかりあはれなるらん」(出典:書陵部本興風集(11C頃))
      2. 「幼年の時の行儀は殊に早く慣れて身に染み易し」(出典:幼学読本(1887)〈西邨貞〉六)
    2. 寒気冷気などが強く身に感じられる。《 季語・秋 》
      1. [初出の実例]「山里の松の蔭にもかくばかり身にしむ秋の風はなかりき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
    3. 深く心に思いこむ。心からうちこむ。
      1. [初出の実例]「身にもしまぬ一時恋(いっときこひ)」(出典浄瑠璃薩摩歌(1711頃)中)
  2. [ 二 ] ( 「染む」は他動詞下二段活用 ) 深く身に感じさせる。強く思う。身に感じるようにする。うちこむ。
    1. [初出の実例]「ほのみたてまつり給へる月影の御かたち猶とまれるにほひなど若き人々は身にしめてあやまちもしつべくめで聞ゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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