軋む(読み)キシム

デジタル大辞泉 「軋む」の意味・読み・例文・類語

きし・む【×軋む】

[動マ五(四)]物と物とがすれ合って、きしきし、みしみしなどと音を立てる。「床が―・む」「雨戸が―・んであけにくい」
[類語]軋る軋めく

ぎし・む【×軋む】

[動マ四]りきむ。いばる。
「堪忍せぬと―・みまはれば」〈浄・二枚絵草紙

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「軋む」の意味・読み・例文・類語

きし・む【軋】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 物がすれ合う時になめらかにいかないで、きしきし音をたてる。きしめく。
    1. [初出の実例]「墨の中に、石のこもりてきしきしときしみたる」(出典:能因本枕(10C終)二五)
    2. 「油屋のしめ木の音をしるべにて しのびて明る戸やきしむらん〈未学〉」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675)下)

軋むの語誌

( 1 )擬音語「きしきし」の「きし」の動詞化。「きしめく」「きしる」も同様の意味で用いられる。
( 2 )中世以降には、語頭の濁音化した「ぎしむ」「ぎしめく」が生じたが、これらは、物がこすれることによって生じる音を表わすとともに、相手に対抗するために「力む」「争う」「競い合う」の意味に拡大していった。


ぎし・む【軋】

  1. 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 りきむ。いばる。いきまく。
    1. [初出の実例]「義経ぶけうし給ひ、扨は某が偽をいふと思ふか、入らんといふ人相手成はと、ぎしみ給へば」(出典:浄瑠璃・源氏長久移徙悦(1685)四)

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