辰ノ口江堰
たつのくちえぜき
江戸時代初期に水戸藩の治水事業として設けられた江堰。岩崎江堰・小場江堰とともに水戸藩の三大江堰とよばれた。このうち最初につくられ、最も規模の大きいのが辰ノ口江堰である。当時の堰は現在の堰の下流約六〇〇メートル付近に取水口があった。
正保二年(一六四五)に測量調査を始め、同四年から工事に着手、慶安元年(一六四八)に初めて水を入れ、翌二年に竣功した。これは灌漑用水対策として初代藩主徳川頼房の命で、奉行望月五郎左衛門が久慈郡町屋金山(現常陸太田市)にいた甲州出身の永田茂衛門・勘衛門父子を起用して始まった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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