辰野口村(読み)たつのくちむら

日本歴史地名大系 「辰野口村」の解説

辰野口村
たつのくちむら

[現在地名]大宮町たつくち

久慈川の東岸にあり、西は久慈岡くじおか村。寛永一二年(一六三五)の水戸領郷高帳先高に「辰之口村」と記され、元禄郷帳に「辰野口村」とある。「水府志料」によると戸数およそ八九。「常陸国北郡里程間数之記」には辰野口村八景として「堺沢晴嵐 滝沢秋月 中嶋の落雁 小坂夕照 船渡の帰帆 勝養晩鐘 遠地の夜雨 鏡山暮雪」が記される。

寛文三年(一六六三)開基帳(彰考館蔵)によると真言宗勝養しようよう院がみえ、寛正三年(一四六二)建立上利員かみとしかず(現久慈郡金砂郷村)鏡徳きようとく寺末寺であった。明治二年(一八六九)廃寺となる。鏡徳寺門徒の観照かんしよう院は元亀二年(一五七一)開基といわれるが今はない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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