農業保護指標(読み)のうぎょうほごしひょう

百科事典マイペディア 「農業保護指標」の意味・わかりやすい解説

農業保護指標【のうぎょうほごしひょう】

生産者の農産物収入に占める政府補助の割合PSE)。補助金のほか,輸入制限などによる生産増の見込み額も含む。数値が大きいほど保護度が高い。1987年にOECDが計算方法を決め,1984年―1986年平均で米国28.2%,カナダ39.2%,EC(現EU)40%,日本68.9%。しかし農産物の輸出国と輸入国では作物の重要度が異なり,批判が多く,総合的計量手段(AMS)に改正。農産物の内外価格差,農家への直接支払,削減すべき補助金を合計し,農業保護度を示す国際尺度とした。1993年,AMSを6年間で20%削減する目標で合意。この対象から除外されるのは,研究・教育・普及・検査などのサービス,土地改良,農村基盤整備,備蓄,国内食糧援助,環境対策などだが,この計量方法には輸出国は不満をもっている。

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