返り花(読み)カエリバナ

デジタル大辞泉 「返り花」の意味・読み・例文・類語

かえり‐ばな〔かへり‐〕【返り花/帰り花】

返り咲きをした花。二度咲きの花。狂い花 冬》こがらしに匂ひやつけし―/芭蕉
身請けされた遊女が、二度の勤めに出ること。
「御身はまたまたくるわに―」〈浮・御前義経記・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 名詞 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「返り花」の意味・読み・例文・類語

かえり‐ばなかへり‥【返花・帰花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かえり咲きの花。花を咲かせる時期が過ぎたのちに、ふたたび時節はずれに花をつけること。狂い花。狂い咲き。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「十日、〈略〉抑自室町殿海棠反花付和哥之」(出典実隆公記‐文明一七年(1485)七月一〇日)
    2. 「褪花と云はかへりはなと云て、ぼけざきとて、秋さく花を云ぞ」(出典:京大本湯山聯句鈔(1504))
  3. 一度身請けされた女が、ふたたび遊女としてつとめに出ること。
    1. [初出の実例]「御身は又々(くるわ)にかへり花、あはれや二度の傾城をなさるるよし」(出典:浮世草子・御前義経記(1700)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android