逆遠近法(読み)ギャクエンキンホウ

デジタル大辞泉 「逆遠近法」の意味・読み・例文・類語

ぎゃく‐えんきんほう〔‐ヱンキンハフ〕【逆遠近法】

絵画構図法俯瞰ふかん図法の一。画面の奥に向かう線を末広がりに表したり、後方の物を前方の物より大きく描いたりする方法東洋画にみられる。→遠近法

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精選版 日本国語大辞典 「逆遠近法」の意味・読み・例文・類語

ぎゃく‐えんきんほう‥ヱンキンハフ【逆遠近法】

  1. 〘 名詞 〙 遠近関係を表現するのに、前方にある物を後方のものより小さく描く絵画技法。近世絵巻物浮世絵などにみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の逆遠近法の言及

【遠近法】より

…モノクロームの背景によって空間を否定した画面にも,人体や椅子の表現には空間と立体の認識が示されている。遠い物を大きく描く逆遠近法,意味上重要な個体を大きく描く不比例が特徴的にみられるが,これらもまた固有の空間知覚と比例感覚を示すもので,その本質は空間を見る視点が一つではなくいくつもあること,独自の階層的意味秩序に基づいて世界が構成されていることにある。ルネサンス期(15世紀)に再生した透視図法が,世界を〈外から〉見る視覚であったのとは対照的に,中世は世界を〈内部で〉見ていたと考えられる。…

※「逆遠近法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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