通峡阻止(読み)つうきょうそし

改訂新版 世界大百科事典 「通峡阻止」の意味・わかりやすい解説

通峡阻止 (つうきょうそし)

敵の水上艦船および潜水艦の通過が予想される海峡または水道において,軍事力をもってそれら艦船の通過を阻止することで,沿岸防衛における海上封鎖の一分野である。通峡阻止には,通常,水上艦艇,航空機,潜水艦等の可動兵力レーダー,水中探知機および機雷等の固定兵器を,海峡地域の特徴と彼我の状況等を勘案して組み合わせ,縦深的に配備する。海峡外域に配置する艦艇,航空機等は沿岸防衛のための兵力を兼ねるのが通例である。通峡阻止を行う場合は海上封鎖の場合と同様に,封鎖開始の日時と地理的範囲を定めて宣言し,中立国と関係国官憲に告知する必要があり,国際海峡の場合は中立国と友軍船舶は通過させる措置を講じておく必要がある。とくに機雷を敷設する場合は,敵の妨害反撃,ならびに友軍に対する危険等を考慮し,敷設時期は慎重に決定する必要がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android