通海参詣記(読み)つうかいさんけいき

改訂新版 世界大百科事典 「通海参詣記」の意味・わかりやすい解説

通海参詣記 (つうかいさんけいき)

鎌倉時代後期につくられた伊勢神宮(大神宮)信仰の解説書。2巻。著者通海の名により《通海参詣記》と呼ばれることが多いが,正しくは《大神宮参詣記》。通海は神宮祭主大中臣隆通の子で,神宮近傍の蓮華寺(大神宮法楽寺)の僧となり,真言宗醍醐三宝院流を修行し,権僧正に達した。真言密教と伊勢神宮の沿革とに通じ,両者を調和させるべく,神宮参詣者と僧侶との問答の形式を採って本書を著した。成立は1287年(弘安10)前後と推定され,伊勢外宮(げくう)祠官による伊勢神道度会(わたらい)神道)樹立直前の時期にあたる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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