造宮省(読み)ぞうぐうしょう

改訂新版 世界大百科事典 「造宮省」の意味・わかりやすい解説

造宮省 (ぞうぐうしょう)

令外の官司。708年(和銅1)3月13日大伴手拍の造宮卿任命は,造宮職が造宮省へ昇格したことを示す(造宮職の前身は造宮官)。造宮省は平城宮や離宮の造営・修理をつかさどり,782年(延暦1)の廃止まで常置の官司で,長官の官位の最高は従二位であった。造京司(平城京の市街の整地,町割,道路造成などを行う)は臨時の官司で,造宮省よりも地位が低い(長官の官位の最高は正四位上)。造宮省には四等官(卿,輔,丞,録),史生,造宮省工,将領,算師らがいた。天平17年(745)の4月と10月の〈造宮省移〉によれば下部機構として長上工,番上工,直丁,飛驒匠,焼炭仕丁,作瓦仕丁,衛士,火頭らが所属し,甲賀宮,恭仁宮,奈良宮で作業していたことが知られ,総計(4月1368人,10月1373人)のうち衛士(4月795人,10月760人)が過半を占め,兵力が労働力に流用されていることがわかる。卿や輔に軍事関係氏族の出身者や軍事関係の職歴をもつ者が任命されたのは,千数百人の集団を統率するため軍事的手腕を必要としたからである。
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