遅延ケイ光(読み)ちえんケイこう(その他表記)delayed fluorescence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遅延ケイ光」の意味・わかりやすい解説

遅延ケイ光
ちえんケイこう
delayed fluorescence

発光に関係するエネルギー準位間の遷移が普通のケイ光と同じで,その寿命が非常に長いケイ光をいう。従来は発光させる原因となる光の照射を停止して,発光が消えるまでの寿命の長さで区別して,短いものをケイ光,長いものをリン光と呼んでいたが,現在では発光機構で区別することが多い。遅延ケイ光では遷移に対する選択則はケイ光と同じであるが,遷移を起す状態になるための過程が種々含まれていて,そのために光を出す時間が長くなる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android