日本大百科全書(ニッポニカ) 「遍歴詩人」の意味・わかりやすい解説 遍歴詩人へんれきしじんSpielmann 各地の宮廷を遍歴してニーベルンゲンの没落など古い英雄伝説の吟唱で報酬を得ていた中世の詩人。ドイツでは12世紀に世俗的文学の重要な担い手となり、『ローター王』『エルンスト公』などの作品を生んだ。彼らが好んだ素材は花嫁の誘拐で、滑稽(こっけい)味の特色が従来の英雄伝説と大きく異なる。のちには教訓的格言詩も手がけ、モラルを説く詩人も現れた。恋と酒と風刺の詞華集『カルミナ・ブラーナ』も彼らの手になった。[藤代幸一][参照項目] | カルミナ・ブラーナ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例