道喜ちまき(読み)どうきちまき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「道喜ちまき」の意味・わかりやすい解説

道喜ちまき
どうきちまき

京生(なま)菓子でちまき一種。羊かんちまきと水仙ちまきの2種類ある。水仙ちまきは吉野葛(くず)をくるんだもので、「この葛は味もよしのの名物と くわぬさきより誰(たれ)もすいせん」(後撰夷曲集(ごせんいきょくしゅう))と歌われたように、葛の繊細な風味を水繊(すいせん)といったところから、語呂(ごろ)を水仙とあわせた。道喜ちまきは内裏(だいり)ちまきともいわれた。戦乱で「お朝物(あさのもの)」にも事欠く帝(みかど)をお慰めしようと、初代川端道喜が後柏原(ごかしわばら)天皇(在位1500~1525)にちまきを献じたとき、下賜された菓名である。

[沢 史生

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世界大百科事典(旧版)内の道喜ちまきの言及

【ちまき(粽)】より

…また,ササちまきは〈京師の珍菓〉で宮中でも最も賞味されるともしている。これがいわゆる道喜(どうき)ちまきで,内裏ちまき,御所ちまきの別称もある。朝比奈ちまきは,中国では6世紀の《斉民要術》,日本では《和名抄》が記載した製法をそのまま伝えたもので,いまでも〈あくまき〉の名で鹿児島地方で行われている。…

※「道喜ちまき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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