① ヒガンバナ科の多年草、スイセン属植物の総称。高さ二〇~三〇センチメートル。地下に球形の鱗茎がある。葉は鱗茎から群がって生え、線形で先は鈍くとがり白緑色を帯びる。一二~一月、花茎の先端に苞葉に包まれて六枚の花被片をもつ一~数花が横向きに咲く。花の中央に皿状の副花冠がある。この仲間は地中海沿岸から東アジアにかけて約三〇種ほどあり、日本には暖地にスイセンが生えている。また、観賞用に園芸品種が多く作り出され、ラッパズイセン、クチベニズイセン、キズイセン、エダザキズイセンなどがある。漢名、水仙。せっちゅうか。にわき。《 季語・冬 》
② ヒガンバナ科の多年草。観賞用に栽培し、また、本州以西の海岸に生育するものは野生化したものとの説がある。高さ二〇~四〇センチメートル。葉は根生し、線形で先端はまるみを帯び、長さ二〇~四〇センチメートル。初冬から伸び始める花茎の先端に五~六個の径三~四センチメートルの白色の花を横向きにつける。副花冠は径約一センチメートル。種子はできない。〔日本植物名彙(1884)〕