遠心神経(読み)えんしんしんけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遠心神経」の意味・わかりやすい解説

遠心神経
えんしんしんけい

神経興奮(神経インパルス)を中枢より末梢(まっしょう)器官に伝える神経をいう。遠心性神経ともいい、求心神経対語である。筋収縮や腺(せん)の分泌、さらに受容器細胞の興奮性を制御する神経を含む広義の運動神経(感覚神経の対語)とほぼ同義。神経幹中には遠心神経繊維と求心神経繊維とが混在するので、神経束全体が遠心性ということはない。自律神経系は、内臓に分布する求心神経を含める場合を除き、すべて遠心性である。

村上 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の遠心神経の言及

【運動神経】より


[やや広義の運動神経]
 一方,〈運動神経〉をやや広義に用いて,心筋や平滑筋の運動をつかさどる神経を心臓運動神経,血管運動神経などとよぶこともある。さらに,中枢神経系に出入りする神経を2群に分け,入るもの(入力神経,求心神経)を感覚(知覚)神経,出ていくもの(出力神経,遠心神経)を運動神経とよぶこともある。しかし,この場合には,汗腺や唾液腺その他の消化腺などの腺の分泌をつかさどる神経(分泌神経)も運動神経に含まれることになり,混乱を招きやすい。…

※「遠心神経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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