日本歴史地名大系 「遠江国風土記伝」の解説
遠江国風土記伝
とおとうみのくにふどきでん
一三巻 内山真竜編著
成立 寛政元年自序
自筆稿本 内山家
写本 国立国会図書館ほか
解説 遠江国豊田郡大谷村名主を勤め、賀茂真淵門下の国学者でもあった内山真竜が著した遠江国の地誌。内容は総序として国境・街道・国府、国名の由来、式内社について述べ、続いて浜名・敷智・引佐・麁玉・長上・磐田・豊田・山香・南周智・山名・佐野・城飼・榛原郡の一三郡について、総説・郷村・寺社・山水・古蹟・通道などの項目を一郡一巻としてまとめている。各郡には正保図牒より郡の地図を挿入する。各村の村高は元禄郷帳によっている。「日本書紀」「古事記」「和名抄」などの史書や記録書、紀行文・歌集、各地の古文書、伝記・寺社記などを引用する。本書が完成すると、一年余のうちに遠州の庄屋や神官層の間で転写されたという。
活字本 「遠江国風土記伝」(明治三三年・昭和五五年)
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報