都に・尽に(読み)ふつに

精選版 日本国語大辞典 「都に・尽に」の意味・読み・例文・類語

ふつ‐に【都に・尽に】

〘副〙
① すべて。ことごとく。ふつくに。
※法華義疏長保四年点(1002)一「大乗経は力勝れたるをもて、重罪を都(フツニ)滅せり」
② (下に否定の語を伴って) まったく。全然。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「乃ち驚いて求むるに都(フツニ)見ゆる所無し
※読本・昔話稲妻表紙(1806)四「三八郎出奔ののち、弗(フツ)にゆくへのしれざれば」

ふつま‐に【都に・尽に】

〘副〙 (「ふつに(都━)」と同語源の語で、「ま」は接尾語) すっかり。ことごとく。
万葉(8C後)一八・四〇八一「片思ひを馬に布都麻爾(フツマニ)(おほ)せ持て越辺に遣らば人かたはむかも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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