都兵馬使(読み)とへいばし(その他表記)Tobyǒngmasa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都兵馬使」の意味・わかりやすい解説

都兵馬使
とへいばし
Tobyǒngmasa

朝鮮高麗時代に設けられた軍事機関名,役職名。都兵馬使前身は「兵馬使」といわれ,成宗8 (989) 年に北境警備の軍事機関,あるいは官職名として成立した。兵馬使が実際にその機能を発揮したのは同 11年,契丹軍侵入のときからである。以来兵馬使の設置は常設的なものとなった。文宗 (在位 1047~83) 時代になると中央の上部機関として都兵馬使の制が確立し,西北面,東北面の2つの北境で出先の兵馬使以下を指揮する権限をもった。やがて忠烈王5 (1279) 年,モンゴルに服属することが決定すると都兵馬使は「都評議使」と改称し,東西2北境の兵馬使は解散させられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の都兵馬使の言及

【都評議使司】より

…朝鮮の高麗末期から李朝初期にかけて存在した最高政治機関。その前身は都兵馬使である。これは北辺防衛を管掌する中央機関で,その指揮下に防衛の実務を担当する兵馬使が東北面と西北面におかれた。…

※「都兵馬使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android