日本大百科全書(ニッポニカ) 「鄖陽」の意味・わかりやすい解説
鄖陽
うんよう / ユンヤン
中国中部、湖北(こほく)省北西部にある十堰(じゅうえん)市の市轄区。河南(かなん)、陝西(せんせい)両省と境を接し、漢水(かんすい)が貫流する。人口62万8451(2015)。丹江口(たんこうこう)ダムの背水端(河川から貯水池への流入点)にあたり、襄渝(じょうゆ)線が通じる。南北朝の晋(しん)が鄖郷(うんきょう)県を置き、元代に鄖県と改名、明(みん)・清(しん)代には鄖陽府治であった。中華人民共和国成立後の1965年に鄖陽専区の設置とともにその中心となったが、のち行政機関は十堰市に移った。2014年県制が廃止され、市轄区となった。小麦、米、サツマイモ、トウモロコシ、綿花、ゴマを生産し、桐油(きりゆ)、キクラゲ、薬草類の産出も多い。鉱物資源も豊富。
[河野通博・編集部 2017年8月21日]