酉市(読み)とりのいち

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 毎年一一月の酉の日に行なわれる鷲(おおとり)神社の祭礼。江戸時代、初めは江戸の郊外花又村(足立区花畑)の長国寺のそれが栄えたが、後には今の台東区千束の鷲神社のものがはやるようになった。新宿区の花園神社など、他の社寺でも境内に鷲神社を勧請し、この祭を行なっている所が多い。この日、神社では幸運や富を掻き寄せるという熊手を売り出し、参道にも熊手や縁起物のお多福面、入船、八つ頭、切り山椒、粟餠などを売る店が立ちならび、人出でにぎわう。年の瀬の風物詩として知られている。一一月最初の酉の日を、「一の酉」と呼び、以下「二の酉」「三の酉」という。とりのまち。おとりさま。《季・冬》
※狂歌・蜀山百首(1818)冬「さん水(ずい)にひよみの酉の市ながらいもほり僧都なきにしもあらず」
[補注]江戸時代には、「酉の町」と称することが多い。「まち」は「まつり」の転訛といわれ、祭に伴って「市」も生じたので「酉の市」となった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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