酸化チタンストロンチウム(読み)サンカチタンストロンチウム

化学辞典 第2版 の解説

酸化チタン(Ⅳ)ストロンチウム
サンカチタンストロンチウム
strontium titanium(Ⅳ) oxide

Sr-Ti系の複酸化物.よく知られたSrTiO3以外にも,Sr2TiO4,Sr3Ti2O7などがある.【】三酸化チタン(Ⅳ)ストロンチウム:SrTiO3(183.50).チタン酸ストロンチウム,またはメタチタン酸ストロンチウムともいう.SrOとTiO2の計算量とを混合,溶融すると得られる.天然にtausoniteとして産出する.室温では,無色ペロブスカイト型構造の立方晶系結晶.ただし,110 K 以下では正方晶系になる.融点約1900 ℃.酸やアルカリに侵されにくい.高温に熱すると酸素の一部を失い,色も黒変して電気導伝性を帯び,低温で圧電性を示す.誘電材料,サーミスターなど電子工業材料に用いられる.[CAS 12060-59-2]【】四酸化チタン(Ⅳ)二ストロンチウム:Sr2TiO4(287.11).オルトチタン酸ストロンチウムともいう.計算量のSrOとTiO2とを混合溶融してつくる.K2NiF4型構造で,ペロブスカイト型に似ているが,広がりが二次元である.【】組成式からはポリ酸のタイプのSr3Ti2O7なども知られているが,これはSr2TiO4の二次元構造が層状になった構造と考えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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