化学辞典 第2版 「ペロブスカイト型構造」の解説
ペロブスカイト型構造
ペロブスカイトガタコウゾウ
perovskite-type structure
組成がABX3の無機化合物にみられる典型的構造の一つ.理想的ペロブスカイト型構造は立方晶系で空間群Pm3mの対称をもち,1化学単位が単位格子中に含まれる.A原子が単位格子の中心に,B原子が各格子点に,X原子が各稜の中心にある.ただし,単位格子の原点をA原子の位置にとる場合もある.AおよびB原子は金属原子で,X原子はハロゲンや酸素のことが多い.理想的な立方晶ペロブスカイト型構造をとる場合はむしろ少なく,正方晶系,斜方晶系,六方晶系などにひずんでいることが多い.ペロブスカイト(灰チタン石)CaTiO3のほか,強誘電性を示すBaTiO3,PbTiO3など多くの化合物がこの型の構造をもつ.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報