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複酸化物 フクサンカブツ

デジタル大辞泉の解説

ふく‐さんかぶつ〔‐サンクワブツ〕【複酸化物】

2種の金属イオンを含む酸化物からなる高次酸化物。ただし、構造上酸素酸イオンを含まず、2種の金属イオンが等しく配位したものを指す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

複酸化物
ふくさんかぶつ
double oxide

2種の酸化物からなる高次化合物。すなわち一般式aAmOnbBxOyで表される化合物。ただしこの形式で書ける化合物であっても、AおよびBの金属イオンの半径がかなり違っていると、実際には小さいほうの金属にいくつかの酸化物イオンが配位したオキソ酸イオンを生成して、オキソ酸塩となっていることが多くあるので、これらは複酸化物には入れない。たとえば、スピネルMgAl2O4では、陰イオン成分の酸化物イオンO2-の立方最密パッキングよりなる格子の四面体型のすきまにMg2+、八面体型のすきまにAl3+の入り込んだMgOAl2O3のような複酸化物である。これに対し、クロム酸カリウムK2CrO4は、K2OCrO3と書けはするが、実際にはクロム酸イオンCrO42-を生成していて、K+とのイオン結晶であって、複酸化物ではない。また、たとえばFe3O4やPb3O4でも、FeFe2O4やPb2PbO4などのような複酸化物である。そのほか、たとえばチタン酸塩のように俗称されているチタン鉄鉱FeTiO3、チタン酸バリウムBaTiO3でも、メタチタン酸イオン[TiO3]2-はみいだされず、Fe2O3と同じような構造であって複酸化物である。このような例は比較的多く、の化合物などはいずれも複酸化物である。[中原勝儼]

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世界大百科事典内の複酸化物の言及

【酸化物】より

…また一酸化炭素CO,一酸化二窒素N2Oなどのように水と作用しない酸化物は不動酸化物inert oxideといっている。 2種以上の陽性成分を含む酸化物は複酸化物double oxideという。たとえば,CaTiO3,AlYO3などがそうである。…

※「複酸化物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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