化学辞典 第2版 「酸塩基誤差」の解説
酸塩基誤差
サンエンキゴサ
acid-base error
酸塩基指示薬を用いて溶液の pH を測定するとき生じる誤差の一種.酸塩基指示薬は,それ自身が酸または塩基であるため,純水や緩衝能の非常に小さい被検溶液に加えると,被検溶液の pH が変化する.指示薬をあらかじめ中和しておいても,指示薬の加水分解のため,やはり同様な現象が起こる.このような原因で生じる誤差を酸塩基誤差という.厳密には,酸性指示薬の場合が酸誤差であるが,酸塩基誤差を単に酸誤差ということもある.酸塩基誤差は被検溶液の緩衝能が小さいほど,また指示薬の濃度が高いほど大きくなる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報