精選版 日本国語大辞典 「里住」の意味・読み・例文・類語
さと‐ずみ【里住】
- 〘 名詞 〙
- ① 宮仕えの女官などが、宮中から退出して自宅に住むこと。里居(さとい)。⇔内住み。
- [初出の実例]「御めのとおはしけれど、それもさとずみにてことなる事もなくて」(出典:多武峰少将物語(10C中))
- ② 宮仕えなどをしないで、自宅で暮らすこと。家庭生活を送ること。→里人①。
- [初出の実例]「里びたる心地には、なかなか、定まりたらむさとずみよりは、をかしき事をも見聞きて」(出典:更級日記(1059頃))
- ③ 「山住み」に対して、出家の意志を果たせないで自宅にいること。また、受戒しても、寺や草庵などに住まないで、町中に住むこと。
- [初出の実例]「今までかかるさとずみをして、またかかるめをみつるかな」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)