岩石学辞典 「重円錐構造」の解説 重円錐構造 頁岩,泥灰岩,石炭などの中に見られる特殊な円錐状結核構造で,泥質の石灰岩,マール,層状鉄鉱石,石炭などの15cm以下の薄い地層に見られる.コップを積み重ねたように多数の円錐形が互いに密集して連続的に重なり合って発達し,その間が粘土薄層で境されている特徴がある.この円錐形は直角に交差する隆起と縦の条線がある,円錐の軸は層理に直角となる傾向があり,円錐の頂点部は上向きも下向きもある.繊維状の方解石が円錐軸に平行か平行に近く配列するのが見られ,シデライトや石膏でも同様な例が知られている.これらは圧力条件下で再結晶作用によって形成された二次的構造と考えられている[Richardson : 1923, Woodland : 1964,木村ほか : 1973]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報