重須村(読み)おもすむら

日本歴史地名大系 「重須村」の解説

重須村
おもすむら

[現在地名]沼津市内浦重須うちうらおもす

長浜ながはま村の西にあり、西は木負きしよう村。南は発端丈ほつたんじよう山を境に大沢おおさわ(現修善寺町)。北は海(内浦湾)に面し、重須川が注ぐ。南北朝時代から室町時代にかけては三津みと庄のうちで、長浜との境には小田原北条氏の水軍の拠点となった長浜城跡があり、同城の船溜りや船大将の居館は当地側に設けられていたと考えられる。

〔中世〕

応永三年(一三九六)七月二三日上杉憲定に「三津庄内重須郷半分・河(内)・木負」などの地が交付されている(「管領斯波義将奉書」上杉家文書)。天文二三年(一五五四)七月一六日北条氏は今川氏との婚儀の費用の回漕を「西浦御領所船方中」に命じているが(「北条家朱印状」長浜大川文書)、この西浦御領所船方中五人のうちに当地の「土屋左衛門太郎」の名がみえる。北条氏康は永禄九年(一五六六)閏八月六日と同一三年四月九日に当地の欠落百姓の人返しを命じる朱印状(いずれも土屋文書)を下しているが、後者には欠落した百姓を「土屋ニ可渡之」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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