野中郷(読み)のなかごう

日本歴史地名大系 「野中郷」の解説

野中郷
のなかごう

和名抄」にみえ、東急本に「乃奈加」の訓がある。天平一四年(七四二)一二月二三日の優婆塞貢進解(正倉院文書)に、「謹解 申貢出家人事」として

<資料は省略されています>

とあり、また天平勝宝二年(七五〇)三月二三日の上道人数勘籍(正倉院文書)に、「天平五年籍所貫野下郷戸主大初位上上道百嶋戸口人数年十五」「神亀四年籍所貫野中郷戸主上道百嶋戸口人数年九」とあって、野中郷がみえる。「野下郷」もみえるが、一時野中郷をこう呼んだのであろうか。優婆塞貢進解にみえる船連は、もと船史と称した渡来人である。


野中郷
のなかごう

「和名抄」諸本にみえる郷名。東急本に「乃奈加」の訓がある。比定地に定説はなく、「遠江国風土記伝」が豊田とよだ郡の中野なかの町から前野まえのにかけての地(現磐田市中野から前野付近)とし、「大日本地名辞書」は不詳としつつ広瀬ひろせ村磐田原(現豊岡村付近)、旧版「静岡県史」は富岡とみおか中野戸なかのと(現豊田町富里・豊田)付近とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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