野坂完山墓(読み)のさかかんざんのはか

日本歴史地名大系 「野坂完山墓」の解説

野坂完山墓
のさかかんざんのはか

[現在地名]東広島市西条町下見

黒瀬くろせ川南岸蓮花れんげ寺跡墓地にある。県指定史跡。完山は天明五年(一七八五)寺家じけ村に生れた医者で、儒学・文学・社会福祉など諸方面で活躍。広島・京都で修学後、享和三年(一八〇三)帰郷した完山は、私塾を開いて医学のほか荻生徂徠の学説を講じ、諸国から三〇〇人を超える門人が集まったという。文政五年(一八二二)コレラの流行には近隣二二ヵ村に無料で予防薬を提供、また三升原さんじようばら柏原かしようばらの新開地では無料診療を行い、施行部屋と称する旅人用の無料宿泊所を設け、飢饉時の食用植物六六種を紹介した冊子を郡内各村に配布したりしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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